スタンダードと懐メロ

ジャズでスタンダードといわれるのは、1930~60年代のミュージカルや映画などでヒットした曲が多い。
流行歌(はやりうた)として多くの人に親しまれ、時代を経てもなお残るスタンダードと、その流行った時代を知る世代にのみ残る懐メロと、その違いは曖昧ながらある。

例えばジャズ演奏家、歌手における、今現在の若手(20~40代半ば)と私とのレパートリーを比較してみると、コールポーター、ガーシュイン作品にもある程度の違いはみられるが、戦後のヒット曲にその違いを顕著に感じる。

例えば、「テネシーワルツ」は(カントリー曲ながら何故かジャズとして)、今も若手歌手必須と言える大スタンダード、なのに、同時代の大ヒット曲「お久しぶりね」「センチメンタルジャーニー」「アゲイン」などは認知度がぐっと下がる。
更に、"To each his own"、"A tree in the meadow"、"Any time" その他はほとんど若手は知らない、懐メロ的存在となっている。

と、分かったようなことを言っても、私もこれらの曲がヒットしたのは生まれる少し前なので、上記「更に」以降の曲はプロになってから知りました。

リアルタイムな記憶と言えば、1960年代。
酒とバラの日々」「ムーンリバー」「L-O-V-E」「イパネマの娘」「黒いオルフェ」などなど、若手の方々もよく取り上げていて、「ああ、スタンダードなんだな」と感じる。

私の中では、「誰かが誰かを愛してる」「砂に書いたラブレター」「ブルーハワイ」なども子供時分に覚えた洋楽だが、若手の方々はご存知ないので、懐メロになるのか。

来月の定例デュオライブでは、60年代のヒット洋楽で今もなおスタンダードとして親しまれる曲を特集。
リアルタイムに記憶する時代なので懐メロとの線引きに悩むが、あえてこだわって、その時代を知る方も知らない方も、現在から見る60年代とジャズを楽しんてもらえるライブにしたいと思う。

さて、昨日からの休み、明日はブログ更新もお休みする・・・かも。