30代から毎月出演した赤坂のレストラン「カナユニ」、高級店で深夜まで賑わう人気店だった。
夕刻から営業し女性ピアノソロ出演、入れ替わり深夜はバンド出演で2時頃まで。
私は宵の口にライブ出演があると終えて車で赤坂へ移動したが、早い出演がない日は夜10時過ぎに家を出た。
まだ子供も小さくて家族を起こさぬよう抜き足差し足、まるで犯罪に出かけるようで真冬は夜の寒さが辛かった。
ある日マスター「”売り掛け”がやっととれたよ」、常連客が飲食代をいちいち払わずまとめて精算すること、この時初めて知った言葉だった。
昭和バブル時代で会社経費も使えたか、請求にすんなり応じてくれぬ客は会社まで訪問したらしい。
その金額2百云十万に驚いたが、そんな高額になるまで店も猶予して最終的に精算完了、出演こそすれ私には別世界の話。
40歳頃まで出演したが、数年余り前に閉店の噂を聞いた。
このブログ書きながら、そういえばとネット検索すると場所を移転しご子息が継続されていることを知った。
時代を超え歴史を刻む老舗、銀座「スウィング」、福井「シライハウス」に重なる。