ディキシーランドジャズ

昨日、大塚「ウエルカムバック」にて「永生元伸&SOD」の定例ライブ。バンジョー奏者の永生さんリーダーのグループで、バンド名は"Spirit Of Dixie"の略。
米国南部音楽をベースとして様々なジャンルの曲を演奏するバンド名と解釈している。
バンジョー、ピアノ、ベース、トランペット、トロンボーンの編成で、ディキシー曲「ハイソサエティ」はクラリネットの見せ場である細かいフレーズを、トランペットの小森信明さんが見事に演奏した。

私がジャズを好きになったきっかけはモダンジャズといわれるスタイルで、プロとしての仕事を開始後の20代半ば頃から時代を逆行する形でスイングジャズのスタイルに傾倒し始めた。
ディキシーランドジャズは全く意識していなかったが、30代に入ってクラリネットの花岡詠二さんとの共演が多くなって初めてディキシーの曲を演奏した。身近に教わるピアニストもいなかったので、資料の音源を探して聴いて見よう見まねで演奏して行った。

モダンジャズやスイングジャズの定番曲のほとんどが、ワンコーラス32小節のテーマで、そのコード進行をアドリブで繰り返す形式だが、ディキーの多くは、テーマがA-B-C-Dなどと転調し展開した後にアドリブ部分がある。
なので、転調も決めのフレーズも覚えないと演奏出来ないが、ライブでは譜面があったりなかったり、知らない曲でも「何とかついてきて」ということで探り探り。
メロディーは管楽器が演奏するので、ピアノの役割は転調とコード進行、決めフレーズなどを覚えてアドリブ、繰り返しの本番で何とかなって行った。

40代過ぎて北村英治さんとの共演が始まるとディキシー曲をやることは少なくなった。そうなると、見よう見まねの探り探りで覚えた曲も徐々に忘れていった。
「ハイソサエティ」も、永生さんバンドの前回ライブでやることになって、およそ10年余りのブランクに覚えているか不安だったが、やり出すと思い出した。
こういう曲は身体で覚えているので、演奏は出きても譜面を書いてくれと言われても多分書けない。