北斎の波

以前、家内と浮世絵展に行った折、北斎の「えちぜんふくいのはし」という作品があって、福井県出身の夫婦としては嬉しい発見だった。

全国の橋名所を描いた「諸国名橋奇覧」というシリーズのひとつで、解説によると
福井市の中心部を流れる足羽川にかかる九十九橋(つくもばし)は戦国時代にかけられ、半分石造り半分木造の構造で、城を攻められた時に取り壊しが簡単で、修復の負担も少ない説がある。北斎は現地を訪れておらず資料を元に描いた」

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北斎の生涯が実に面白い。
出戻りの娘と暮らし、二人とも一日中画業に没頭し家事は一切やらず、食事は惣菜屋で買うか近所の飲食店から取り寄せ。
家はちらかり邦題、使い勝手が悪くなると引っ越しを繰り返した。
父も娘も画業意外は一切無頓着、金銭にも興味がなく常に貧乏生活。
そんな生活を送っていながら、酒もたばこもやらなかったのが幸いしたのか88歳まで生きた。
 
北斎の浮世絵は19世紀末のフランス美術界に衝撃を与え、ジャポニズムという日本ブームのきっかけとなった。
作曲家ドビュッシーは作品「海」の譜面出版で、表紙に北斎の「神奈川沖裏浪」、あの波の絵をデザインした。
 
波の絵といえば、子供の頃にクールベの「波」が好きだった。
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重厚な油絵の写実性に比べて、北斎の波は極端にデザイン化され現実離れしたところが魅力だ・・・と長年思ってきた。

ところが、最近ハイスピードカメラで撮影された画像が北斎そっくりと言う話題に驚いた。最新技術でとらえられた瞬間映像が、北斎さんには見えたのだろうか?
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こちらのサイトで詳しく観れます→北斎の波