フールズラッシュインの理性と本能

4月9日に予定の定例ライブのネタバレシリーズ、「ジャズに隠れた名言格言特集」の1曲、「フールズラッシュイン」"Fools Rush In"。
 
長い諺がそのまま冒頭4小節の歌詞になっている。
“Fools rush in where angel fear to tred”
「愚か者は天使も入らぬ所に駆け込む」、つまり「無知蒙昧」とか「君子危うきに近寄らず」ってとこか。
 
出展は18世紀英国のポープという詩人だそうだ。

理性を失ってはいけないという教訓が、その後、逆説的に「それでも恐れずに向かう」という勇者にも引用され、それが恋歌へということらしい。
 
エルビス・プレスリーのヒット曲「好きにならずにいられない」も、”wise men say only fools rush in…” 賢い人は駆け込むのは愚か者だけと言う、でも・・・、と酷似した歌詞だ。

賢者(理性)と愚者(本能、感情)の対比はいかにもキリスト教的な表現に感じる。 
こういう戒律を引用した表現というのは日本の恋歌にはあまりない。
尽して振られた女の立場で♪わたしバカよね~♪という歌謡曲はあった。
 
そういえば、SF「スタートレック」のミスター・スポックはバルカン星人と地球人のハーフで、理性の強いバルカン気質で、地球人の言動を「それは非論理的です」と批判する台詞が多かった。
 
少年時代にテレビで観た頃は、単に宇宙人を強調するキャラと思っていたが、あれも欧米人らしい発想だったのかも。