あの時代

先日、30代のミュージシャンお二人との会話。

お一人は子供の頃お父様の仕事でメキシコに住んでいたと聞いた私、
「外人さんを始めて観たのが多分小5の時で、ベンチャーズというグループの公演だった」と言うと、その方、「え?それまで外人を見たことがなかったんですか?」と。

そらそうだ昭和41年の福井で、温泉町で育ったとはいえ今のように外国人観光客など皆無だった。

私、「その後、大勢の外人さんをいっぺんに見たのが万博だった」というと、もうお一人が、「それっていつの万博ですか?」と。

私世代だと万博というと1970年大阪しか浮かんでこないが、その後もなんとか万博というのがあった。
私「1970年の大阪万博」、「あ、あの月の石に行列ができたってやつですか」。

お二人、「その頃の東京オリンピックとか万博って、今よりもっと凄いことだったじゃないですか?」

私「そうだねぇ、前の東京オリンピックは子供だったけど、国民一丸となって盛り上がってた感があったねぇ。万博も何だか凄い未来的な、世界に向けて”ここまで日本は発展しました”的な。みんな学校の制服とかスーツとか、きちんとした服装で来てたからねえ」

お二人「へぇー!」。なんだかすごく年寄りになった気がした。

近年、昭和30年代~40年代を懐古し美化されることがある。
私も懐かしい話しは楽しいが、とりたてて今より良かったとは思わない。
いつの世も良いこと悪い事は混在する。

若いお二人から「叶わぬ憧れが一杯で夢があって良い時代だったんですね」と言われて、私は「へぇ、そうかねぇ」。

さて、本日は銀座「俺のフレンチ・コリドー街」にソロ出演。
旧「俺のフレンチ・ターブル・タク」から店名変更となって1ヵ月、私もすっかり馴染んだ、つもりで間違えることもあるから、トークに気を付けよう。