夢見心地

昨日のブログの続きになるが、昭和初期にジャズやハワイアンがごっちゃになっていたと書いたが、戦後もその風潮は続いていて、タンゴ、シャンソンカンツォーネなどいっしょくたに「軽音楽」として楽しんでいた。
 
私が小学生の頃も、家に欧米各国の歌レコードがあった。
兄や母が買ってきた、ナット・キング・コールフランク・シナトラビートルズなど英語圏、イタリア語のポップス、フランス語のポップス、スペイン語のラテン、などの他に祖母の長唄のレコードもあった。
 
全く意味不明な外国語(子供には長唄の歌詞もよく分からなかった)ではあったが、今より各国音楽を楽しんでいた時代だった。
 
それは、戦後の高度経済成長時代、まだ見ぬ外国への憧れも強かった日本人が、欧米映画や洋楽に非日常を感じて夢見心地になる、その魅力が大きかったからだろう。
 
時代を経た今、感じる夢や憧れは変わったかもしれぬが、スタンダードとして残っている音楽や映画の素晴らしさは変わらない。
 
と、20世紀目線の話をしてしまったけど、クラシックとなればもっと前の時代から残って来たもので、優れたものが時代を超えて残っていくのは当たり前のこと。
 
当たり前に残っていると言っても、ある時期に皆知っていたのに今では誰も知らないという曲もあって、そういうのを楽しんでもらうところに喜びを感じる。

だから、それが上質の演奏でないと楽しんでくれるわけもないのだから、日々精進、と、日々己に言い聞かせています。