邦題の妙

昨日のブログにスタンダード曲「引き潮」の原題が"Ebb tide"で、英語タイトルに馴染みが薄い人が多いのではと書いた。

「ラブ」とか「ムーン」などの英単語に比べて「エブタイド」が耳慣れないからだろうが、英語だとやたらに長いタイトルが短い邦題で親しまれるジャズ曲も多い。

"Love is a many-splendored things" 「慕情」
"Get out and get under the moon"「月光価千金」
"Between the devil and the deep blue sea"「絶体絶命」
"I'm gonna sit right down and write myself a letter"「手紙でも書こう」
"I can't give you anything but love"「捧ぐるは愛のみ」
その他多数。

単に短くて便利ということもあるが、「慕情」とか「月光価千金」などの漢文邦題には昭和の和洋折衷の妙を感じる。

日本語では「ムーンリバー」「ミスティー」などカナ音訳で親しまれる曲も多いが、お隣の中国では当然オール漢字。

漢字による音訳タイトルもあるが意訳が多く、ビートルズ曲「イエスタデイ」→「昨日」、「イマジン」→「想象」、と、同じ漢字でも日中の違いが面白い。