映画「菩提樹」
トラップ一家のストーリーは、ジュリー・アンドリュースのハリウッド版より9年も前にドイツで映画化されている。
邦題「菩提樹」(1956)”Die Trapp-Familie”、私はユーチューブで観た。
大筋は同じだが、雷鳴におびえる子供たちに歌うのは勿論「私の好きな物」ではなく、小舟で川に落ちるシーンは子供たちが庭で水を撒いて遊ぶなど、処々違いがある。
ハリウッド版にない登場人物がコーラス指導の神父、常に一家に寄り添い共に米国へ渡って以後も描かれる。
ニューヨーク港、自由の女神が見えるエリス島の収容施設に身元保証人の確認で上陸許可を待つ大勢の人々、その中に一家もいた。
神父は芸能事務所に電報を打ち身元保証人とコーラスの活動契約を依頼、マネージャーが施設に会いに来るが、一目見ただけで去ろうとする。
そこで、マリアは子供たちとシューベルトの「菩提樹」の合唱を始めると、周囲の人々は聴き惚れ、マネージャーはマリアに駆け寄って硬く手を握り・・・ここ、涙してしまうシーンで邦題が「菩提樹」である理由に納得。
お披露目のコンサートでシュトラウス「美しき青きドナウ」、マネージャーが契約した小切手を破るのを見てマリアたちは不安になるが、新たな小切手に増額が書き込まれて・・・と、この映画も感動的で、それほど実話がドラマティックだったのだろう。
この映画が大ヒットしたドイツ語圏では、後のハリウッド版は史実と異なる点が多いと不評で、近年まで上映されなかった地域もあったそうだ。
エリス島の施設は今も保存されていて、私も湾内クルーズで近くを通った。
本日、銀座「俺のイタリアンJAZZ」「俺のやきとり銀座9丁目店」、ソロ出演。