ブリッジ

曲の「サビ」というのは、例えば「上を向いて歩こう」だと、〽上を向いて~と始まる部分(A)、もう一度、〽上を向いてと繰り返し(A)、〽幸せは~、が「サビ」(B)、その後〽上を向いてAメロ再現でワンコーラス。


A―A―B―A形式は、ベートベン「エリーゼの為に」、ショパンノクターン

ドボルザーク「家路」、ジャズ「私の青空」「二人でお茶を」「虹の彼方に」「星に願いを」「この素晴らしき世界」他、60年代ビートルズの「イエスタデイ」辺りまで多いが70年代以降少なくなる。

A―A―B―Aは起承転結に通じ、「転」に当たる部分を何故「サビ」と呼ぶようになったかは諸説あるが、英語は"Bridge"。
「結」に向かう「橋」として分かり易い。

 

橋を芸術的に感じたのは中学生の時、アポリネールの詩「ミラボー橋」
ミラボー橋の下をセーヌが流れる、我らの恋も流れる・・・堀口大学さんの訳詞で、何だか分からないがこの冒頭一行でお洒落な世界に引き込まれた。
往年映画「哀愁」はロンドンのウォータールー・ブリッジが舞台。
ゴッホの「跳ね橋」に南仏の太陽、ムンク「叫び」は橋の下が底なし沼のような不安・・・人は橋に何か心惹かれる。

 

2003年ノルウエーの美術館にて

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