左手

ジャズピアノの「ストライド」はベース音と和音を左手で交互にブン・チャ・ブン・チャと弾く奏法で、欧米人は左手で1オクターブ以上(10度の和音)弾けるので重厚な和音を奏すが、私の手ではそれは不可能。

 

テディー・ウイルソンファッツ・ウォーラーオスカー・ピーターソンなどの巨人達の録音によってその楽しさを知った。

ピアノひとつでこんな表現できるならと練習、30歳になる頃に毎週出演したピアノバー、店のママが歌手でスイング時代の曲ばかり、ストライドに合うが不慣れな曲もあって四苦八苦して演奏するのが良い修練になった。

f:id:nemannekenarui1955:20210825060144j:plain

ストライドは2ビート的表現に適しているが、4ビートでブン・ブン・ブン・ブンと連続してベース音を弾く(ウォーキング、ランニングと呼ぶ)とモダンジャズっぽくなる。

これらの奏法は左手の動きが忙しく、その負担から一時期は関節痛に悩んだ時期もあり過度な連続演奏は出来ないが、瞬時瞬時の判断であれこれ使い分け。

これら左手の奏法は、ピアノひとつでバンドアンサンブルを奏すが如く豊かで多彩な音楽を生んでくれる。