話で休む

昨日、大雨の予報だったが幸い一時的、薄日射す天候で横浜へ。

「バーバーバー」北村英治さんのライブは満席。
いつもはほぼ満席に見えて奥が何席か空いていることがあるが、完全満席。
すごい人気だ。

スペシャル時間で、1時間15分ステージを2回。私は、このところの腕の疲労で、筋の不安を抱えてのライブ。

2曲終わって北村さん、「仲間がどんどんいなくなって、先日も大橋巨泉が、ちょっと長くなりますが・・・」と、若い頃の思い出話。

北村さんより5歳若かった巨泉さんは学生服姿、ジャズライブの楽屋でスーツに着替えて司会者としてステージへ。

ダウンビートとかメトロノームなどの米国ジャズ専門誌を取り寄せて読み、最新情報などを織り交ぜた司会は評判だった。

若き北村さんが悪徳マネージャーにギャラを持ち逃げされ極貧生活となった折、安アパートに巨泉さんが訪ねて来た。

手には米と牛肉の佃煮。
「最近青い顔して、どうせ、ろくなもの食ってないんだろ」
ごはんを焚くにも家財道具は質に入れて小さな鍋がひとつだけ。
アルミの洗面器でご飯を炊いて二人で食べた。

「あの時、巨泉が現金を持って来たら、私は施しを受けることになる。米と牛肉というところに彼の気遣いを感じて、なんていいやつだろうと思いました」

他に曲に因んだエピソードで、テディ・ウイリソン、ベニー・カーター、アール・ハインズなど、ジャズ史巨人達との交流など、昨夜は諸所話が多かった。

そんなトークをお客様はかなり楽しんで、私はその分腕が休めた。
勿論、腕のことなど北村さんに告げた訳ではないのだが、正直、助かった。

指は割と軽く動いてくれて、今朝も大きな負担はなく、このまま良くなるとありがたい。