イカル

先日東京での「サマージャズ」、北村英治カルテットでリハ終えて本番までの5時間余り楽屋で、音楽談義などなくたわいもない話に花が咲くのはいつものこと。

北村さんの昔話が面白かった。

 

戦後ジャズブームの時代、大橋巨泉さんは学生時代からアメリカのジャズ専門誌「ダウンビート」を取り寄せて読み司会者のバイトも。

「あいつはあの時代に英語の雑誌を読んでて情報も確かでね、学生服のまま楽屋に飛び込んで来て、急いでスーツに着替えてステージに出てくんだ。

そいで、〇〇ってフルバンドがいてね」

このバンドリーダーはベニーグッドマンの演奏で有名な”Goodbye"を「ゴドビー」と読んでしまうことで有名だった。

司会の巨泉さんが「次の曲は」と問うと「ボーイオンナ・ドフリンです」

"A Boy On A Dolphin"「いるかに乗った少年」(*)のこと、巨泉さんすかさず「イカルに乗った少年をお送りします」

ドルフィン→ドフリンでイルカ→イカルか、笑いつつ「はー、なるほどー!」と感心する私に北村さん「こういう機転が利く凄いやつだったね」

93歳の記憶には、今は思いもよらぬ昭和面白話満載。

 

「いるかに乗った少年」は1957年の映画「島の女」のテーマ曲。好きな曲だが昨今あまり知る人もなく演奏する機会も減った。過去のブログに書いた。ティナフト

 

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