趣味ですか

昨日、銀座「俺のイタリアンJAZZ」にベーシスト小美濃悠太さんとデュオで出演。

夕方4時半から1回目演奏開始。
ステージ前カウンター、ちょうど小美濃さんの正面席に70歳前後と思われるご夫婦、ライブを楽しみに来店されたそうだ。

とても楽し気にお聴きになってくれて、ラスト曲、「嘘は罪」"It's a sin to tell a lie"で終えた。
ベースを置く小美濃さんに「いやぁ、とても楽しみました。ベースはご趣味で弾かれているんですか?」と
小美濃さん「えぇ、一応仕事としてですが」。

控室に戻ると小美濃さん、「お客様って趣味でやってると思うんですね」。

私「俺も若い頃よく言われたよ、ミュージシャンらしく見えないタイプだったからね。
ある時に『昼間は何の仕事されてるんですか』って聞かれてね。
神妙な顔して『銀行に勤めてましたが・・・、悪いことをしてクビになりまして』って言ったら、その人すごいびっくりしてね、慌てて『冗談です、すみません!』って言ったよ」

私が駆け出し時分、演奏とは別の仕事を持つ人や大学生などがプロと一緒に演奏することもあった。

日本全国にホテル、キャバレー、レストランなど生演奏の仕事場が多く、必然的に演奏家人口も多かった。

それらはジャズに特化した演奏というよりも、ポピュラー音楽、ダンス音楽、ショーの伴奏(譜面を読む)が主。

特にキャバレーは戦後復興期から一時隆盛を極めたが、1970年代に急速に衰退していった。私が20代半ばに至る時代、演奏家から転業していく多くの人を目の当たりにした。

小美濃さんとのデュオ、快調なリズム、見事なベースソロはお客様を魅了、各ステージがあっという間に感じた。

つい先日、横浜で共演した大塚さん、小美濃さん、実に達者な若手ベーシストたちだ。