歌はいつから

私用に追われてこの二日間ブログをお休みした。

過去も今も、演奏家或いはお客様から「歌はいつから、どうやって」と聞かれることが多い。

このブログにも幾度か書いたと思うが、ジャズピアニストとしてスタートした時点では歌うことなど予想もしなかったし、全く歌う技量などなかった。

アドリブらしきものは出来るが、譜面のメロディーを過度に崩さずほんの少しフェイクして歌うように弾くことが難しい。
じゃ、どうするか、そこで歌詞を参考にと考えた。

それがきっかけで歌を歌いたいと思ったが全くその技量もない。ならばと仲間とコーラスグループを結成したのが20代半ば。

若い情熱と行動力の賜物でレコードデビュー、その頃に共演させて頂いた大先輩、トランペッターの故光井章夫さんが、歌って演奏する姿に憧れを持った。

コーラスグループでは10年間活動し解散。
コーラスは決まったパートをきまった表現で歌うことが重要だが、一人で自由な表現で弾き語りとなると全くダメだった。

ぼちぼち練習してもダメ、「ピアニストだから」とあきらめ、その翌日は「歌えればどんなに面白いか」と練習する、その繰り返しで40代半ばを迎えていた。

そんな頃に、「ミュージシャンの歌は味があって良い、もっと歌えよ」と強く背中を押されたのが北村英治さんとの出会いだった。

超一流の演奏家にもっと歌えと言われたからには曖昧なことでは済まないと、足りないと思われる技術や表現を猛練習して、なんとか現在に至っている。

人様は「器用で元々歌ってた」と思われるようだが、実は随分と時間がかかってるし、周囲の方々のお陰なんです。