昨日、ピアニスト駆け出し時代に中年世代がお客と書いたが、それはホテルなどの演奏においてのことで、映画音楽も含めたポピュラー、ジャズは3割。
一方ジャズライブは若者が多く、選曲も9割以上ジャズと分けていた。
9割以上で10割でないのは、「虹の彼方に」「フライイートゥザムーン」「酒とバラの日々」などポピュラーとしても演奏される曲もあるから。
プロフィールは「20歳でジャズピアニストデビュー」としているが、最初は覚えているジャズ曲の数もアドリブ技量も限られたものだった。
共演する先輩が「こういうとこ(ホテルなど)は食う為に演奏してるが本当はジャズだけやりたい」との言葉に、私もそこを目指そうと思った。
しかし、ポピュラー演奏もたまらなく楽しい、どの曲にも素晴らしく愛を感じる、そんな自分を「ジャズの難しさから逃げる甘えか」とさえ思った。
それが徐々に「自分が美しいと感じる曲にジャズも何も関係なかろう」と思い始め、「スイングジャズ」と言うスタイルを知るとそれが何より体に合った。
そのセンスに共鳴する仲間とジャズコーラスグループを結成、スイングジャズ最高峰に輝く北村英治さんをふもとから見上げる20代半ばの私だった。