昨日のブログに書いたジャズソング「月光価千金」。
日本ではエノケンの歌で有名になったかと思う。
この漢文邦題が、古代中国の蘇東坡による漢詩「春宵価一刻千金」からの引用であるとは知っていたが、その発案者が伊庭 孝(いば・たかし)だとネットにあった。
伊庭 孝は大正から昭和にかけて俳優や演出家として活躍、浅草オペラ全盛期にレビュー「女軍出征」という舞台をヒットさせた。
女性ばかりの軍隊が出征するというコメディーで、劇中歌として英国曲「ティピラリーへの道」を使い、当時ハイカラ趣味の学生などにさかんに歌われたそうだ。
因みに今年春、この浅草オペラが「100年ぶりの再演」という話題をネットで知ったが、「ティピラリー」が歌われたのかは分からない。
私も以前よくトリオで弾き語った。
「女軍出征」が上演されたのが浅草にあった劇場「常盤座」。
「月光価千金」 "Get out and get under the moon"
「ティピラリーへの道」 "It's a long way to Tipperary"
この2曲のジャズソングが大正昭和の浅草と人物に因む、合縁奇縁と言っていいのか。