彩雲追月1

昨日の続きになる、1997年にあるプロデューサーによる二胡チェン・ミンさんのコンサートを2回終えて、共演はそこまでと思っていた。

ところがチェン・ミンさんから「今後個人的にライブを、出来れば毎月やって行きたい」と申し出があった。

日本に来て初めて知ったジャズに魅力を感じ、私も初めて出会った二胡に新鮮な興味を覚え、継続は嬉しかったがコンサート曲だけでは足らず、レパートリーを増やさなくてはならない。

この楽器が最も生きる中国曲のアレンジで、チェン・ミンさんからお借りした二胡音楽カセットを毎日聴いた。

 

中でも「あれ?」と耳にとまったメロディー、祖母が好きだったテレビ懐メロ番組で聞いた歌謡曲「南の花嫁さん」だ。

高峰三枝子さんが歌った、〽ねーむの並木の~、ヒットしたのは戦時中だが私が高校生時分にテレビCMに使われていた。

タイトルは中国語で「彩雲追月」、中間部に耳慣れぬメロディーが登場するが、日本の曲に違いないとチェン・ミンさんに言うと「いえ、これは中国で有名な伝統曲です」

どういうことか?、謎の答えを知るのは少し後になるが、長くなるから明日にしよう。

 

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原風景

今秋、二胡奏者チェン・ミンさんの福井公演企画が地元の方々の協力で進行中。

先日の南青山マンダラで「夢幻城爵士楽団」(むげんじょうジャズがくだん)再演は、かつて私が熱を入れたアレンジが蘇る感動を覚えた。

中でも「彩雲追月」「砂山」のアレンジに3ヶ月余り試行錯誤したことを思い出す。

 

「彩雲追月」は1930年代に任光(レン・クワン)作曲、中国では有名な伝統曲。

アレンジは1998年初頭だったと思う、当時行ったことがない中国をイメージ、山に雲が低くかかる水墨画のような風景を強く心に描いた。

ところが後日、東京から帰省して目に飛び込んだのは正にその風景で「あ、これだったのか」、その後中国に行って日本との違いを実感した。

 

「砂山」は日本の童謡で歌詞は新潟市の浜が描かれているが、こちらもアレンジでイメージしたのは福井の浜地海岸、風や潮の香りの記憶だった。

この2曲によって子供の頃から焼き付いた風景が心に強くあることを知った、それを「原風景」と言うのか。

現在、郷里に戻って演奏活動する日々、秋の演奏に深い期待を抱く。

 

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講座やり甲斐

昨日快晴、河合公民館のジャズ講座「ペーパームーン」"It's Only A Paper Moon"を取り上げ、参加者全員で歌い因む解説。

2022年4月に月例講座としてスタートして2年、お休みの月もあり、「枯葉」"Autumn Leaves"は2回取り上げたが、過去17曲になるか。

ネタはまだまだあるが、日曜の午後に皆で集い歌うに相応しい曲となると、毎回あれこれ頭をひねる。

 

今回「ペーパームーン」、ナット・キング・コールが幾度も録音したと話すと、男性が手を挙げられて質問。

「キング・コールの『ネイチャーボーイ』が好きなんですが、講座で取り上げる予定はありませんか?」

私も好きな歌だがご存知ない方も多く「こんな曲ですよね」と冒頭何小節か弾き語り。

哲学的な歌詞でメロディーも実に深い名曲、作者の人生も奇異で面白いが、パッと聴いて暗い印象に感じる方が多く、「皆で楽しく歌うには少々向かず、残念ながら」とお答えした。

言葉通り残念ではあるが、こういう通好みな曲が出る意外性に講座やり甲斐が更新された。

次回5月26日、課題曲"You'd Be So Nice To Come Home To"

 

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ペーパームーン

本日は河合公民館の月例講座、参加者全員でジャズを歌って因む解説。

課題曲は「ペーパームーン」"It's Only A  Paper Moon"、1933年に舞台の為にかかれたが、40年代、エラ・フィッツジェラルド&デルタ・リズム・ボーイズ(コーラス)共演盤がヒットしたそうだ。

それを終戦まもない日本で江利チエミさんがコピーし日本語歌詞を交えて、実に上手く歌っている。

江利さんは渡米され帰国後、デルタ・リズム・ボーイズ来日共演、録音を聞いたことがあるが、エラばりの歌もスキャットも実に見事。

 

ナット・キング・コールも40年代~50年代にかけて幾度も録音。

ピアノ弾き語りのトリオ時代、割とゆったり目のテンポでインストから始まり転調して歌うアレンジが素敵。

ピアノから離れ人気歌手となって以後、1957年の弾き語り再演ジャズアルバムではぐっとアップテンポ、これまたキレの良い歌とピアノアドリブが実に見事でカッコ良い。

1991年、キングコールの娘ナタリーが亡き父を偲んだアルバム「アンフォゲッタブル」でこの「ペーパームーン」をヴァースから歌っている。

本日は天候も良く午後の楽しいひとときになれば幸い。

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シライハウスに東京から

昨夜「シライハウス」に入ると、春美ママ、カウンターの女性お二人を紹介「東京から高浜さんの出番にと予約されたんです」
「えっ!東京から」と驚きお聞きすると、銀座「スウイング」によく行かれるそうで、お連れの方が福井出張の日程調整されてのご来店。
お話するのは初めてだったが、北村英治さん95歳現役の凄さでのっけから盛り上がった。
ライブ開始、お客様満席で演奏に熱い拍手、お二人「福井の方っていつもこんなに夜お元気なんですか」
初めて訪れた旅先のジャズライブに東京と違う熱気を感じられたのか、帰郷2年10ヶ月で毎月福井ー東京を行き来する私にはもはや分からない。
福井観光されて帰京のご予定、楽しい旅であることを願う。
 
さて本日は先日終了した発表会の松岡&河合レッスンチームによる「ランチ打上げ会」
生徒さん自主企画の発表会、その余韻まで楽しもうの集い、私としてはとてもありがたい思いで参加させてもらう。
 
22日南青山マンダラ、チェン・ミンさんより頂いた写真。
一昨日ブログの写真は右端の苅込博之さん(Tb)が隠れていたが全員勢揃い。

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地元に生きる

東京で二胡奏者チェン・ミンさんとライブを終えたばかりだが、9月に地元福井でコンサート企画がある。

東京時代40代頃は地方公演が多く、九州の翌日北海道など各地移動が何日か続くことも。

移動して会場入り~リハから本番~宿泊して移動の繰り返し、観光もなく何県の何処に行ったか分からないこともあった。

 

いざ福井に帰郷して東京の仲間に来演してもらおうとすると簡単ではない。

経費や会場手配他諸々の条件を整えるなど私一人で出来る話でなく、地元支援者のお陰。

過去伺った各地の方々も同様の苦労と情熱があったことを知る。

苦労と書いたが、昨年の北村英治さんコンサートにおいても、多くのハードルを越えて成功の達成感、ボランティアスタッフの皆さんは生き生きと活動されていた。

それが縁で支援チーム「ふくいスイング倶楽部」も生まれた。

そんな人々に囲まれ支えられ、演奏家として日々生きていられることは実にありがたい。

その深い感謝は日々精進モチベーションのひとつ。

 

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東京から戻って

22日「南青山マンダラ」、チェン・ミンと夢幻城爵士楽団(むげんじょうジャズがくだん)、お越しの知人から拝借した写真

ライブ中、父娘共演による二胡伝統曲「行街」(シンジエ)

お父様(陳 龍章さん)89歳、お元気で明るいお人柄変わらず。

下は終演時左から、私、チェン・ミン二胡)、佐々木彰(Dr)、お父様(二胡

酒井一郎(B)、シャオ・イー(二胡)、鈴木直樹(Sax,他)、隠れて残念、苅込博之Tb

私は何故か京胡(高音二胡)を持たされ?

この会場へは東京駅から丸の内線~銀座線で外苑前へ、在京時代ほぼ毎日乗った丸ノ内線のなんと懐かしいこと。

「マンダラ」「スウィング」、ハードな2日間ながらも意外に元気、昨年暮れの手術から体力が戻ったことがありがたい。

 

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