泊まる2-ホテルとジャズ

35年ほど前「札幌グランドホテル」のラウンジ「1934オールドサルーン」に3日間の出演。「1934」はホテル開業年で「その年に作曲されたジャズを入れてもらえたら」と要望を頂いていた。

1930年代は多くのスタンダードジャズ曲が生まれていて、34年だけでも「ブルームーン」「ムーングロウ」「コンチネンタル」「カクテルフォートゥー」など知られた曲がずらっと並ぶ。 

ジャズにこだわった企画が嬉しく、ジャズコーラスグループ「ロミ&ジョーカーズ」で札幌に飛んだ。

ライブ初日を終えて、「バーでお好きなもの飲んで下さい」のお言葉に甘えて全員でバーへ。

カクテルメニューの「ミスティー」「ルート66」「サテンドール」などジャズ曲に因んだネーミングに気分盛り上がって、ついグラスをおかわりしたのは若気の至り。

 

このグループで大阪「ロイヤルホテル」(現リーガロイヤル)のトップラウンジにも定期的に出演した。

高層階の広いラウンジで周囲の窓に夜景が広がり、正面のステージにはレギュラーの2バンドが交代で絶えず生演奏、ゲストとして我々も出演。

1980年代半ば頃、東京のホテルは既にこういう豪華な大人の夜は減っていたが、大阪はまだ健在だった。

夏は大宴会場でディナー企画、ステージにフルバンド「白井克治&ニューソニック」、ゲストは東京からピアニスト秋満義孝さん、白タキシードで映画「愛情物語」から「トゥーラブアゲイン」「マンハッタン」など、そして私たちのジャズコーラス

お客様はカクテルにディナーそしてダンス、夢のひとときだった。

 

晦日はラウンジと宴会場イベントを往復出演してカウントダウンで一泊、元旦に東京に戻って日比谷の帝国ホテルの正月企画出演。

ホテルとジャズが濃厚親密な時代だった。