ニューカレドニア1-震災

2010年夏頃だったか、銀座「スイング」でステージの合間に北村さんと話し込んでいるお客様がいらして、その後マネージャーから「ニューカレドニアのジャズフェス出演が来年1月に決定した」と連絡を受けた。

バンドメンバーの私、ベース山口雄三さん、ドラム八城邦義さん揃って、小説「天国に一番近い島」のモデルになった島としか認識なく「どこにあるんだろうね」。

地図で見るとオーストラリアの右上にある小さな島で、フランス領らしい。

 

出演に至った経緯は、現地の東京の日系人会総領事ミシェルさんから東京のニューカレドニア観光局に「ジャズフェスに日本人バンドを招聘したいから紹介して欲しい」との要請があった。

観光局長の白石さんは兼ねてよりファンだった北村さんを推薦し、来日したミシェルさんを「スイング」にお連れしたところ「是非このバンドで」と即決したそうだ。

 

ところが現地で台風による被害が出たそうでジャズフェスが中止となり「延期してその内に」と。

これまでもこういった企画だけで実現しなかった旅仕事は国内外いくらもあったから、我々メンバーも「今度とオバケは何とやらだからな」だった。

 

そんな話を忘れかけていた3月11日に東日本大震災発生、東北と福島の惨状が世界に報道され、東京も計画停電などでイベント仕事が続々キャンセルとなる中、マネージャーから「ニューカレドニアからすぐ来て欲しいと言われたからスケジュール調整をしたい」と。

かなり強いトーンで連絡をもらったが、我々メンバーは「はあ?」、消えたと思った話がこの状況でいきなり復活、しかも「すぐ来て」って、どーゆーこと?