言葉14-亜土さん初仕事

昨日の続きで35年ほど前のお話。

当時私が活動していたジャズコーラス「ロミ&ジョーカーズ」のマネージャーが金沢のホテルディナーショーの企画を持って来たが、「知名度ある歌手と共演」が条件だった。

マネージャー、知名度とバンドとの音楽的相性も考えると水森亜土さんにお願いしたいと提案したが、我々は面識なく、唯一の接点は毎月同じ店に出演していることだけだった。

 

銀座のジャズクラブ「サイセリヤ」、亜土さんの出演日にアポをとって開演前にマネージャーと私二人で伺った。

毎月出演する馴染みの店だが、子供の頃からテレビでのみ知る有名人がどんな方か、素の顔が神経質だったらと緊張した。

案外きさくな方で「いいわよ。宜しくお願いしましゅ」と快い返事を頂けてほっとした。。

その後は本番までお会いすることなく何か月か過ぎた。

 

金沢駅の近くで今はなきホテル「ホリデーイン」のステージで亜土さんと再会、あいさつしてすぐリハーサル。

譜面を幾度かやり直し、その未熟さは今思い出しても恥ずかしい。

リハが終了すると亜土さんから「ステージ進行の打ち合わせしたいから後で部屋に来てね」と言われ一旦別れた後、ダメ出し覚悟でドアをノックした。