昨日書いた流行歌のリズムは踊るための要素も大きい。
ジャズも20世紀初頭にダンス音楽として流行したが、1930年代には鑑賞音楽としての価値が認められたきっかけがベニーグッドマン楽団だったそうだ。
映画「ベニーグッドマン物語」で、ボールルームでダンスをしていた多くの観客が踊りをやめてステージに聴き入って拍手するシーンがあった。
踊らず鑑賞音楽であってもリズムは「心躍らせる」重要な要素。
ジャズヴォーカルのスキャットは歌詞(言葉)による表現でない面白さだが、トランペットなど管楽器奏者にスキャットが上手い人が多いのは、吹奏に必要なリズムをタンギング(舌の使い方)で常にやっているからだ。
「ジャズ」の語源が曖昧なのに対して、カンツオーネやシャンソンは「歌」の意味だ。
昭和時代の洋楽ヒットソングは、ナット・キング・コール、ジリオラ・チンクエッティ、ボビー・ソロ、シルビー・バルタン、トリオ・ロス・パンチョス・・・、英語、イタリア語、フランス語、スペイン語など多言語だった。
中でも、ハリー・ベラフォンテが歌ってヒットした「ハヴァナギラ」はヘブライ語で、「ハヴァナギラ・・・イエーレスマッハ、ハヴァナレンレンナ・・・」と意味不明ながら今でも覚えている。
海外旅行に行けなかった時代の憧れかと思うが、舶来曲でなく「ジンジロゲ」という国籍不明意味不明の歌もヒットしたのは不思議。