「イパネマの娘」で有名なブラジルの歌手アストラッド・ジルベルトさんの訃報。享年83歳。
1950年代末にブラジルで生まれたボサノバ、60年代世界的ブーム立役者のお一人。
アメリカのジャズやロックと違って、ジルベルトさんの歌声はちょっと素人っぽい頼りなさ、さりげなさが当時とても新鮮だった。
ボサノバは淡い色合いを感じ、水が揺らぐようなリズム、ジャズのハーモニーと相まったおしゃれ感。
80年代のジルベルトさんはかなり複雑なメロディーとリズムの楽曲を歌い、おしゃれボサノバにとどまらぬブラジル音楽が注目され、ジャズヴォーカリストでポルトガル語学習する人も多かった。
以前ネット記事で「イパネマ」の娘さんが実在の人物と知った。
エロイーザ・ピニェーロさん、作詞家がイパネマ海岸のカフェで目にとまった印象を歌にしたそうだ。
お年を召された本人が語る動画、多分そのカフェなのか壁に「イパネマの娘」の譜面、ヒット当初は自分のことと知らず、結婚して4人の子供育てとアパレル業経営者として生きてきたらしい。
ご健在であれば訃報をどう受け止めたかなどと、勝手な現実的妄想を抱いてしまう珍しい歌の例。