映画と音楽45-チャイコフスキー

子供の頃ロシア民謡が流行っていた。
家にダークダックスのソノシートブックがあって「ともしび」「赤いサラファン」「トロイカ」など、欧米の明るさや温感と違う美しさを感じたが、ソ連時代で時折目にするニュース映像にどこか硬く暗い印象もあった。
高校進学したばかりのある日、同級生の友人から「チャイコフスキーという映画を観にいかないか」と誘われ、ソ連映画と聞いて少々のためらいもあったが音楽家の伝記だからと観に行った。

映画「チャイコフスキー」(1970)、19世紀後半のロシア帝政時代、友人ピアニストのルビンシュテインが「君の譜面は部分的にピアノ演奏の負担が大きい」と批判、恋に悩んで泥酔して街を歩く、パトロンである大富豪の豪華な屋敷、自然風景の美しさ・・・。
この時一度観たきりだが、「ピアノ協奏曲第一番」を聴くと今でもシーンが浮かんで来る。
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このブログ更新で映画制作年を確認し、音楽監督がディミトリー・ティオムキンと知ったのは新たな発見だった。
映画「真昼の決闘」「リオブラボー」「ローハイド」など西部劇音楽の作曲家として記憶していたが、生まれはロシアでサンクトペテルブルグ音楽院卒とある。
この音楽院にチャイコフスキーも学んだという縁もあってのことか、東西冷戦時代においての米ソ合作は素晴らしい、今も心に残る映画のひとつ。

 

一昨年(2018年)公開されたディズニー映画「くるみ割り人形と秘密の王国」を観に行った。テーマ音楽は勿論チャイコフスキーバレエ音楽、新しい感覚で蘇る素晴らしさを改めて感じた。