映画と音楽46-アナスタシア

子供の頃パット・ブーンの「アナスタシア」というどこか物悲しい歌が好きになり、テーマになった映画を観たい知りたいで20代にテレビで観た。

 ロシア革命で帝政が倒され、皇帝の娘アナスタシアは17歳ではかなくも処刑されたが、実は生き延びたという噂が流れた史実を元に映画化。

 

追想」(1956)"Anastasia"。
パリのセーヌ川に身を投げようとした女性(イングリット・バーグマン)を助けた男(ユル・ブリンナー)、女性が記憶喪失と知りアナスタシアに仕立て元皇族から謝礼金詐欺を企てる。
詳細な関連資料の暗記特訓が始まると、時折この女性が失った記憶と重なるようなことを言う。
いよいよデンマークに隠居する元ロシア皇太后に面会が叶うが、子供の時に別れたきりで顔も分からずニセ者と取り合わない、それがふとしたことで本人と分かり・・・。

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子供の頃にダークダックスでロシア民謡を覚え、郷里福井ではラジオでモスクワ放送(日本語)を受信しウラジオストクから船も訪れた、しかしこれといった関わりもなく生涯行くこともなかろうと思っていた。
それが演奏家となって2003年、クルーズ仕事でサンクトペテルブルグに寄港した。
街風景に少年時代に観た映画「チャイコフスキー」を思い出し、至る所に残る帝政時代の建物や彫刻、エルミタージュ美術館の規模に圧倒された。
通りかかった歩道で少女がバイオリンをケースから出している、ここで哀愁のロシア民謡が聴けたら最高の旅情に浸れると足を止めた。
おもむろに少女が弾き始めたのは・・・「イエスタデイ」。
折しもポール・マッカートニーのモスクワ公演中だった。

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お稽古中の素朴な音だったが、純粋に人前で演奏したかったのだろう。