映画と音楽63-ナイスガイ・ニューヨーク

フランク・シナトラが40代終わりに主演した映画「ナイスガイ・ニューヨーク」"Come Blow Your Horn"(1964)、ジャズテイストに溢れていた。

 

田舎暮らしの若者が父親とけんかして家を出て、ニューヨークに住む兄(シナトラ)のマンションにころがりこむ。
兄は何事にも要領良く女性にモテモテで都会生活を謳歌、弟は戸惑いながらもその姿に憧れる。
あれこれあって、兄は一人の女性への愛に目覚め都会生活をやめて田舎に戻る決断をすると、弟はすっかりプレイボーイに目覚めてかつての兄の姿、というコメディー。
原題"Come Blow Your Horn"はマザーグースの一節「居眠り坊やの羊飼い、目覚めて角笛吹いてくれ」だそうで、弟のキャラのことだろうか。

 

忘れられないシーンがある、シナトラが歩道でホームレスとすれ違い、後ろ姿で「旦那おめぐみを」で小銭を渡し、「ありがとうごぜぇます」と振り返る、それがディーン・マーチン(記憶ではそうだがセリフは正確ではないかも)。
超一流スターが汚れ役のワンカット出演に驚いた。

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テレビで観たのが中学1~2年の年末だった、ロック好きの少年が映画を観た後に聴きたくなったレコードが、シナトラ・・・のLPはなかったので、兄が買ったマット・モンローのジャズアルバム。
007「ロシアより愛を込めて」が大ヒットした歌手のホギー・カーマイケル作品集で「スターダスト」「わが心のジョージア」「スカイラーク」「ニアネスオブユー」他。
ジャズという意識はなかったが、この映画このレコード、今に至る原点のひとつ。

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