昨日「俺のやきとり」ソロ出演。お客様まずまずの入り、演奏を終えると「高浜さん!」の声、弾き語りの国貞雅子さんだった。「俺の」レギュラーおひとりでヴォイストレーナーでもある。
お客で来店され私に「歌ってないんですか?」と、私「マスクで歌うのしんどいし、ピアノ弾きだから演奏だけの方が楽なんだ」、国貞さん「私は歌う方が楽(笑顔)、ピアノは自分の伴奏で弾くけど難しくて。明日はここに出演なんです」と変わらぬ明るさに心和んだ。
映画と音楽89-ラグタイム・リバイバル
このブログに書いた映画「明日に向かって撃て」と同じ主演ポール・ニューマンとロバート・レッドフォードで「スティング」(1973)が公開された。
当時大きな話題になりテーマ曲もヒット、若手時分「スティングのテーマ」としてリクエストがとても多かった。
曲のタイトルは「ジ・エンターテイナー」"the Entertainer"で、1902年にスコット・ジョプリンが作曲したラグタイム。
19世紀末のアメリカで、ヨーロッパのポルカやシュトラウスのマーチなどの流れ(私見ですが)に黒人音楽要素を加味したリズムの新しいピアノ音楽が大衆を魅了した。
リズムの特徴(シンコペーション)から「ラグタイム」(拍がずれる意味)と呼ばれた説がある。
作曲された譜面通りに演奏するのはクラシックと同じだが、演奏者の部分的な変更や即興も許される。
酒場などではフォスターなどの小唄やラグタイムが盛んに演奏されたそうだ。
ジャズ研究家だった油井正一さんの著書によると、当時ピアニストは"Professor"「先生」(※)と呼ばれ、クラシック習得者ばかりでなく自己流アレンジの(アドリブ要素を含む)先生も多かったらしい。
アドリブ要素がラグタイム形式と融合しディキシーランドジャズ、スイングやモダンジャズへと発展したのだろう。
※"Professor"を教授としなかったのは、昭和の接客女性がいるような店でピアニストが「先生」と呼ばれたから。
当時ヨーロッパの作曲家ドビュッシーやラベルもラグタイムに影響受けた作品があるほど大人気だったが、1910年代にはジャズ流行で急速に衰退。
しかし1964年にジャズピアニストのハンク・ジョーンズがラグタイム・アルバムを録音、70年に音楽家ジョシュア・リフキンのLPがラグタイムのリバイバルブームとなり、この映画で広く知られた。
録音される曲のほとんどはスコット・ジョプリン作品で、最も有名なのは「メープルリーフ・ラグ」。