昨日、譜面の読み書き出来なかった大作曲家の話を書いたが、チャップリンも同じく専属の音楽家に採譜編曲を頼んで、「モダンタイムス」(1936)の"Smile"「ライムライト」(1952)の"Eternaly"、など今も世界中で親しまれる名曲を残した。
私は一応譜面の読み書きは出来るが、初見でパッと見て弾くことは苦手。
若い頃NHKの録音仕事で、譜面はジャズ曲中心でアドリブ部分も多く無事終了。
譜面を書いた若い女性アレンジャーから、クルト・ワイル作品特集ライブの演奏を依頼された。
「マックザナイフ」「セプテンバーソング」などで知られるが、米国に亡命する前はドイツでクラシック作曲家として活動。
その時代の作品を弦楽4重奏とピアノにアレンジした譜面のライブだと聞いて、これはクラシックの分野で私は無理と伝えると「あれだけ弾けるのだから」と。
このアレンジャーさんも若く、その事情に詳しくなかったのだろう「譜面を送りますから一度目を通して下さい」。
どさっと届いたのはアドリブなどない譜面、知り合いのクラシック・ピアニストを紹介した。
ライブにご招待頂いてリハーサルから客席で拝聴、紹介したピアニストは難なく演奏したが、アレンジャーさん「『セプテンバーソング』を追加したい」と突然の思い付きにピアニスト「譜面がないと無理です」と。
すると客席の私に向かって手を合わせ「お願いっ!」。本番では「本日のサプライズ」と紹介され1曲だけ演奏。
アレンジャーさんのお人柄を伝える意味であえて書かせてもらうが、「セプテンバーソング」に対するお心遣いを頂いたことに感謝した。