映画と音楽118-巴里のアメリカ人

映画「巴里のアメリカ人」(1951)"An Aamerican In Paris"、ジーン・ケリーレスリーキャロン主演のミュージカル。
全曲ガーシュイン曲、"I Got Rhythm"、"Our Love Is Here To Stay"、"S'Wonderful"、"The Man I Love"、"But Not For Me"などなど、ジャズとして演奏や歌われる頻度の高いスタンダート曲。

これらの曲は1920~30年代のレビューやミュージカルに書かれたもので、タイトルの「巴里のアメリカ人」は1928年に作曲した交響曲

 

ジョージ・ガーシュインはピアノ演奏は優れていたが交響曲を書く知識が乏しく、作編曲家グローフェに教えを請いながら「ラプソディーインブルー」を完成させ、更に独学を積んで「巴里のアメリカ人」を発表。
憧れのヨーロッパ訪問でラベルなど有名作曲家に教えを乞うたが、「あなたほどの作曲家に教えることはない」と言われた話は有名。

 

この少し前19世紀末、ヨーロッパ芸術は行き詰まり感があったようで、日本の浮世絵がきっかけでジャポニズムブームや、ドビュッシー、ラベルは東洋音楽やアメリカのラグタイム、ブルースなど異文化に目を向け始めた。
ガーシュインアメリカ特有の要素を大胆に融合させた音楽は斬新だったのだろう。

複雑なハーモニーやフレーズの交響曲から、「サマータイム」など”鼻歌で歌える”大衆的小唄まで時代を越えて親しまれる。