映画と音楽111-上海で監禁される

「蘇州夜曲」から始まって映画から離れた話になっているが、2000年6月の上海は往時の洋館や庶民住居も残しつつ、未来的建築も目立ち始めていた。

コンサート会場も新しい高層ビルの6階で、下層階はショッピングモール、上層階は高級ホテル。

楽屋フロアーも居心地よく美味弁当を終え本番まで時間は余裕だったが、メンバー二人ロビーの様子を見てくると出て行ったきり戻って来ない。

言葉が通じなくてもステージから回れば楽屋に戻れるはずで何処まで行ったかと思っていたら、本番衣装に着替えようという頃に戻ってきて、「大変な目にあった」と興奮気味。

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二人は楽屋を出てしばらく歩いた通路からステージ経由でロビーに向かったらしい。
日本でも大きな施設のバックヤードは殺風景で目印も少なく迷うことはある。

ロビーに出て開場待ちのお客風景を少し見て、来た順路を戻ったつもりで途中のドアを開けたら何もない小部屋で「あ、間違えた」。

その瞬間バタンと閉まり開けようとしたらドアノブがない、「えーっ!!」
鉄扉のすき間に指も入らず密室に監禁された。
ドアをたたき続け叫び続け、やっと気付いた人が開けてくれた。

 

無事タキシードに着替え「このまま本番に間に合わないと焦った。たまたま人が通ったから助かったけど、何で外からしか開かない部屋があるのか、他にも犠牲者がいて不思議はない」
犠牲者の死体もなかったようで幸いだったが、恐怖の時間だったに違いない。

前日のボラーレ事件は飛んで火に入りカモられたが、この監禁事件は理解できぬノブなしドア恐怖の密室。

日本で考えられないプチ事件ありながらも無事本番を迎えられた。