映画と音楽143-洋酒と憧れ

洋酒が高級品だった時代、有名銘柄のボトルは演奏に行くホテルのバーなどで見るだけ、日常にはなく本の知識だけで映画のシーンも印象に残った。

ベルモット」は、ワインにハーブなど浸したリキュールでカクテルに使用される、映画「お熱いのがお好き」に登場。


禁酒法時代のシカゴから女性ばかりのジャズバンドが夜行列車でフロリダに向かう。

車内のバンドリハーサルで歌手(マリリン・モンロー)が"Running Wild"を歌う、北村英治さんともよく演奏した曲。
寝台車で密かに持ち込んだ酒でパーティー、シェーカー替わりのゴム製氷枕に酒と氷を入れてマンハッタンを作るシーンで、「ベルモット」は英語で"Vermouth"(ヴァムース)だと知った。

 

80年代半ばだったと思う、並行輸入で洋酒も国産並に買えるようになると憧れの対象でも海外旅行の人気土産でもなくなった。
馴染みのない銘柄も増える中、英国ビール「バスペールエール」のラベルに驚いた。
画家マネの「フォリー・ベルジェールのバー」、子供の頃に見た画集で赤い三角形が印象的だった、まさか手に取って飲めるとは思わなかった。


マネ「フォリー・ベルジェールのバー」1882年。バーテンダーの背後は鏡でかなり広い酒場。画像クリックで拡大します。

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