音楽家の楽しさ

若手の頃にやっていたジャズコーラスがきっかけで、グループ解散後に弾き語りを練習した。

ピアノに比べると歌は素人芸の域を出ず、「弾き語りで仕事が出来たらいいなあ」という憧れを抱いて40代に入った。

北村英治さんとの共演開始で歌を勧められて猛練習、50過ぎて弾き語りの仕事が舞い込むようになった。

歌の伴奏とか楽器のセッションで歌わないつもりでも、「ちょっと歌って」「ハモって」と言われることが増えて、常にピアノ脇にマイクをセットするようになった。

それは嬉しいことであったが、それが日常となると「私は歌ってなんぼで、ピアノ演奏だけでは仕事にならないのか」と悩み、自分が中途半端に思えた。

50代から60代へ、最近は歌伴などではマイクをセットせず、必然的に「本日は歌わないピアニスト」という形をとることもある。

と言ってもトーク用のマイクがあれば歌手とハモルことはあるが、必要がなければ歌わずピアノ演奏に集中する日も楽しい。

一昨日の横浜ライブではドラマー八城くんのリーダーで、私はトークも歌もなしでピアノ演奏に集中してとても楽しかった。

「楽しかった」というのは、そこに演奏家としての遣り甲斐を大いに感じられることで、やっとピアノと歌と両方を楽しめるようになった今日この頃。

さて、本日は青山「俺のフレンチ・イタリアンAOYAMA」、ランチライブにソロ弾き語りで出演。
台風の天候が気にかかるが、多くのお客様に楽しんでもらいたい、そして私も”楽しめたら”幸い。