天気予報で別枠の小笠原を見て、そういえば医療設備も十分にない離島でコロナどうなんだろうと検索すると、感染者は出ておらず学校も再開しているようだ。
小笠原諸島の父島に行ったのは、2012年春、北村英治カルテットの仕事で「にっぽん丸」クルーズだった。
東京から南へ1000キロ、島には空港がなく移動手段は船のみ、片道24時間。
私たちの他に海洋専門家もいらして、自然保護プロジェクトがあった。
小笠原のウミガメも数少なくなり、孵化しても魚や鳥に食べられて残るのはわずか、孵化した子を三重県の水族館で7か月まで育てて里帰りさせる。
横浜港を出て夜のショーで演奏、一泊して翌朝父島に到着。
二見港に定期船「おがさわら丸」が停泊していて、「にっぽん丸」は少し離れて錨を下ろし通船(船装備の小型船)で島へと渡った。
桟橋から近い小さな浜にお客様と私たちも集合、海洋専門家の先導でスタッフが発泡スチロールの箱をかかえて来た。
箱のふたを開けて傾けるとたくさんの子ガメたちがヨチヨチ、「わー、かわいい~!」と一斉に携帯やカメラを。
海に向かうのもいれば、横へそれるのも、「そっちじゃないよー!」「がんばれー!」の声、やがて全てのカメが海に消えると拍手が起こり、小さな命の旅立ちに感動し涙する女性もいらした。
港付近を散策してランチは和食店へ、島の名物ですと薦められたのが「ウミガメのにぎり寿司」。
食べながら我々「さっきの感動はなんだったんだろうね」。