低音の魅力5-外人は低音?

昭和で人気だった海外テレビシリーズは吹き替えで親しんでいて、いざ本人の声を聞くと「低い」と感じた。

吹き替えでも若山弦蔵さんの低音で「バークにまかせろ」のジーン・バリー、「スパイ大作戦」のピーター・グレーブス、「007」のショーン・コネリーなど、どれもリアルに感じた。

なので、ナット・キング・コールフランク・シナトラなども日本人より低い声、つまり「低いキー」で歌っていると思っていた。

 

昨今カラオケで歌う人に合わせて伴奏の「キー」を上げ下げするが、私の子供時分は一般的に大人もそういう意識はなかったと思う。

 

ずっと後まで外人は低音の思い込みがあったが、ジャズピアニストとして活動し、弾き語りで歌うようになって、外人も日本人もさほどキーが違わないと知った。 

じゃ何故欧米人の声が低く感じたのかと言うと、言語による発声の違い。

英語のRなど喉の奥をぐっと上げる発音だと深い音になる、専門的には低い倍音が多いとかなんだろうけど、それが低いと感じたのだろう。

 

古くはビング・クロスビーなどクルーナーと言われる男性ヴォーカルは、低音の響きが魅力とされたが、その時代でも「インクスポッツ」のビル・ケニーのように高めの声でファルセット(裏声)も自在に使うスタイルもあった。

これが後にドゥワップやロックンロールへとつながると、男性ヴォーカルも高いキーで歌うようになった。