映画と音楽25-クルーナー

 20世紀初頭、歌はクラシックと同じく朗々と張った生声だったが、マイクロフォンの普及で耳元でささやくような歌い方が可能となる、その最初のスター歌手がビング・クロスビー
1903年生まれで20年代半ばデビュー、初期の録音は若く張った感じもあるが、徐々にソフトな歌い方になり、これがクルーナーと呼ばれて映画でも活躍した。

 

1944年の映画「我が道を往く」”Going My Way”。

若き神父(ビング)がニューヨークの古びた教会に補佐として赴任する。
老神父が一人守っているが財政難にあえいでいて、新任神父が親しくなった若者たちと資金集めを計画。
神父「音楽ならいけそうだ、何が人気だ?」
若者「ジャズさ、ファッツ・ウォーラーなんて凄いぜ」
作曲した「星にスイング」”Swinging On A Star”が当たって資金調達に成功。

老神父が風邪で寝込み「故郷アイルランドに一人でいる母に長年会っていない」と話すのを聞いて、枕元でビングが歌う「アイルランドの子守歌」、クルーナーの優しい声に、うるうるっと。
映画後半、はるばる故郷からお母さんを呼んで老神父と・・・あー、もうダメ、ポロポロ泣けた。

・・・と書きながらも思い出して目が潤み、インクもにじむ

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アイルランドの子守歌」"Too-Ra-Loo-Ra-Loo-Ral (That's an Irish Lullaby)"

映画を見た時は「ダニーボーイ」のような民謡かと思ったが、1913年に米国で発表された曲で作者もビングもアイルランド系。
♪トゥーラルーラルラ~・・・眠れぬ夜にお聴きになってみては如何。

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本日     銀座「俺のイタリアンJAZZ」「俺のやきとり銀座9丁目店」ソロ出演。

29日 銀座「スイング」、谷口英治(Cl)他