ギョウザ3-ワンタンで張り付く

「餃子」は中国でもほぼ同じ漢字で読めるが、ワンタンは日本で見る「雲吞」が広東など南の言葉で、北京など北では「餛飩」と書く。

2000年に家族で北京旅行に行き、タクシー運転手が「安くて美味しい人気店」と教えてくれたのが「餛飩侯」(ワンタンホウ)。

週末の夜で繁華街「王府井」(ワンフーチン)は凄い人で賑わっていて、店の前でタクシーを降りた。

人気店にしては行列もなくラッキーと思って入ったら、なんと、満杯の人、人、人、それが食事中のテーブルに張り付くように立って待つ人で混んでいる。

日本であり得ない光景に「やめようか」と尻込みする私に、家内「これだけ混んでいるのは美味しいに違いないから頑張ろうよ」と意外な根性。

 

二階に上がると少しマシで、部屋の隅に待ち人ないテーブルを見つけて我々も張り付く。お母さんと6~7歳の女の子、慣れっこなのか我々など全く気にする様子もなく、7~8分待って席が空いて座った。

メニューが印刷された紙に希望の個数を書き込んで、店員に渡したいが凄まじい忙しさでなかなか呼べない、少し離れた席に運んできた店員に手を振って大声で呼んで、やっと。

しばらくして料理が、スープワンタンと蒸しワンタン、日本のより大きくて食べ応えありすごく美味、一家4人ドリンクもとって1000円でおつり、味も値段も張り付いた甲斐あった。

この頃の北京は行列の習慣がなく、地下鉄やバスのラッシュ時も早いもの順、私が停めたタクシーに脇から走り込まれたことも、高度成長初期の勢いある気力体力社会だった。

2006年を最後に北京には行ってないが、つい先月テレビでコロナによる間隔を開けて並ぶ行列を見た。