60年代の映画や音楽はアメリカのみならずヨーロッパのヒット作も多かった。
「鉄道員」「道」」「刑事」「シェルブールの雨傘」などの映画音楽は、アメリカのからっとしたスケールのデカさに比べると、センチメンタルで四畳半的、マイナー(短調)曲が多いことも日本人好みだった。
朔日書いた「太陽はひとりぼっち」「太陽の下の18才」など、この時期「太陽」邦題が流行ったようだが、一番人気は「太陽がいっぱい」(1960)だろう、ニーノ・ロータのテーマ曲はこれまで随分リクエストで演奏した。
南イタリアの海、貧しい青年(アラン・ドロン)は親しい富豪の息子をクルーザーで殺害。
サインを練習してなりすまし、財産も美人の彼女も全て手に入れ完全犯罪に思えたが・・・、あのテーマ曲と共に確かに”太陽がいっぱい”の印象が残る映画だった。
彼女役の女優マリー・ラフォレは歌手でもあって、家にあったレコード「夜霧のしのび逢い」のジャケットにモノクロ顔写真はあったが、中学生になってテレビで「太陽がいっぱい」を観て「あらぁ、こんなきれいなお姉さんなんだ」だった。
そのイメージのままにその後を知らなかったが、昨年(2019年)ニュースで80歳での訃報に接した。