欧州3日間の最終日はヌーベルバーグ、1950年代末から60年代にかけてフランス映画で制作手法が革新的と評され、それらの作品にジャズが好まれた。
「死刑台のエレベーター」はマイルス・デイビスが演奏、「エヴァの匂い」でジャンヌ・モローがビリー・ホリデイのレコードを聴く、「大運河」はM.J.Q.(モダンジャズカルテット)が演奏、アラン・ドロン主演の「地下室のメロディー」や「サムライ」もジャズだった。
50年代後半以降、ロックンロール流行で大衆音楽がポップな方向へと進んだ影響か、ジャズの仕事が減ってアメリカを離れた多くの演奏家がパリで大歓迎された。
アメリカ映画「パリの旅愁」”Paris Blues”(1961)は、パリに移ったアメリカ人演奏家をポール・ニューマンとシドニー・ポワチエが演じ、ゲストにルイ・アームストロング、音楽はデューク・エリントン。
20歳頃にテレビで偶然観て「すごいキャスティングだ」とメモを取ったので覚えているが、知る人は少ない作品。
この時代へのオマージュを感じる作品が1986年制作の米仏合作映画「ラウンドミッドナイト」、やはりパリに住むアメリカ人演奏家をサックス奏者デクスター・ゴードンが演じた。
ジャズが生まれたニューオリンズは元々フランス領で19世紀にアメリカに売却された歴史があって、ヌーベルバーグとジャズは離れて育った親戚同士が親しくなったようなことか。
因みに、幾度も共演させて頂いているサックス奏者スコット・ハミルトンさんも、米国を離れてイタリアに住み長年欧州各地で活躍、昔話でもない。
明日は新潟1泊ツアーに出るので、シリーズお休みして関連話題を更新します。