このシリーズのきっかけとなった「映画と音楽異名帳」に入れるべきでありながら忘れた映画が「恐怖のメロディー」(1971年)で、曲が「ミスティー」。
クリントイースト・ウッド初の監督&主演作で、原題が”Play Misty For Me”(ミスティーをかけて)。
ラジオの人気DJ(イーストウッド)の番組に毎日「ミスティー」を電話リクエストする女性がいる。
ある日DJがバーでその女性と出会い、一夜の関係をもったらストーカーとなって命の危険に至る怖いお話。
「ミスティー」はジャズピアニストのエロ―ル・ガーナーが1954年に作曲、若手時分はリクエストが多かった。
当時ラジオ番組へのリクエストは電話(電リク)かハガキ。
中高生の頃、日本海側に住んでいてラジオAM放送はNHKと地元局のみ、東京の放送は日中受信できず、夜になると人気DJ深夜放送が雑音交じりでどうにか、それに比べて大陸からの電波は鮮明だった。
モスクワ、北京、韓国などの日本向け放送で、流暢な日本語ながら各国でわずかな訛りと音の響きに違いがあった。
モスクワはいかにも遠くから響くような音、北京は太い音で鮮明ながら国内放送でないことはすぐ分かったが、韓国は近いせいかさほど違和感がなかった。
ある日たまたま受信した放送が、NHKでも地元局でもなく不思議に思って聴いていたら韓国の日本語放送だった。
日本からのハガキを読んでリクエストの現地流行歌をかける番組で、韓流ブームなど想像もしなかった時代に「海の向こうの流行歌をどこで覚えるんだろう」と思ったものだ。
本日は銀座「スイング」、谷口英治さん他で出演。今年の演奏納め。
北村英治さんと9月にスイングで収録したDVDが発売されます。詳しくはスイングHPをご覧ください。