正月はお琴

正月と言えばお琴、昔は「六段」も耳にしたが最近もっぱら「春の海」が定番。
筝曲家の宮城道夫が1929年(昭和4年)に翌年の「歌会始」の為に作曲したそうで、新春に相応しいわけだ。
西洋クラシック音楽の要素を取り入れ、ピアノなど洋楽器の演奏にも向いていることもあって、他の伝統筝曲より知られているのだろう。

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私が初めて演奏したのは45歳頃の正月仕事で二胡奏者のチェン・ミンさんと、日中共演はとても良い感じだった。
その後、クラシック・フルート奏者の坂元理恵さんと共演、元曲の尺八に近いので音を出した瞬間にハマった感あり、ピアノもお琴気分だった。

 

お琴と呼んでいるが、専門的には「琴」は日本古来の楽器で、「春の海」など一般的に耳にするのは中国伝来の「筝」(そう)と、弦の数や構造など違うらしい。
漢字の「琴」は楽器全般の意味もあって、「木琴」「鉄琴」、「手風琴」(アコーディオン)、「堤琴」(ヴァイオリン)など。
何故ヴァイオリンが「堤」かと調べたら、手に持つ、長い柄のさじなどの意味に由来するようで、これは中国語も同じだが日中双方で違う楽器漢字も多い。

ピアノは中国語で「鋼琴」、はがねのお琴とは成程と名刺にシャレで「爵士鋼琴演奏家  Jazz Pianist」と印刷した時期があった。

 

若い頃に出演していたライブのママ、お酒好きで低めのハスキーヴォイスだった。
「店に来るバスでちらっと見える『おとこの教室』って看板がどんなとこかずっと気になってて、今日、よくみたら『おこと』だったのよ。恥ずかしくなったわ」

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