映画と音楽43-ハイヌーン

昨年2月以降休演している定例デュオライブ「究極(9曲)の特集」で「西部劇特集」のアイデアがあった。

選曲する中で歌うかピアノ演奏か迷ったのが「ハイヌーン」、映画「真昼の決闘」(1952)の主題歌。

結婚式上げたばかりの保安官(ゲーリー・クーパー)、昔逮捕した連中が正午到着の列車で復讐に来ることを知り、迎え撃とうとするが町の人は怖がって協力を拒む、新妻(グレース・ケリー)も対決などせず街を出ようと、刻一刻と正午が近づいて一人孤独に・・・。

 

子供時分にテレビで観たが覚えておらず、20代になってラジオで三遊亭円楽さん([『星の王子様』の先代)の話を聴いてそういう映画かと知った。
「あの映画は実際の時間と同じに進行するんで話題になったんですけどね、保安官が街の人に応援頼むでしょ、あれがどうも。西部の男って最初から助けなんか求めないで立ち向かってくんなきゃ」
その後改めて観て、その話のお陰で楽しめて記憶に残った。
保安官の恐怖心が人間的に描かれ、映像と観客の時間がシンクロするリアルな緊張感が評価されている映画。


テーマ作曲はディミトリー・ティオムキンで多くの西部劇音楽を書いている、歌ったのはテックス・リッター。
♪見捨てないでおくれダーリン、この結婚の日に♪
低音の少々無骨な歌声に孤独に立ち向かう男を感じる、私が歌えるかピアノ演奏だけが良いかと迷った。

幻の企画「西部劇特集」に因んだ話はまた明日。