映画と音楽75-コール・ポーター

「ビギン・ザ・ビギン」他、スタンダードジャズとしても多く取り上げられる作曲家コール・ポーター、パリで活動した経歴もあってラテン的明るさとリッチな雰囲気の曲が多い。
富豪の家に生まれ育ったが音楽の道を選び、苦労を経てミュージカルなどで成功、晩年は夫人とニューヨークの老舗ホテルで暮らした。
伝記映画を2本観ている。

 

ケリー・グラント主演の「昼も夜も」"Night And Day"(1946)。
大学生のコールは祖父に法律家を目指すよう勧められるが、音楽の道へ。
「昼も夜も」を作曲中、窓辺に落ちる雨だれにヒントを得てヴァース(序説)を作るシーン。
一つの音がずっと連続する特徴的なメロディーで「こうやって生まれたのか」と納得してしまうが、事実かどうかは分からない。

 

ずっと後の2004年の映画「五線譜のラブレター」"De-Lovely"、原題はポーター作品"Tt's De Lovely"で、"Night And Day"に比べるとリクエストも滅多と無い通好み、おのずとポーター音楽へのこだわりを感じる。
シネコンなどの上映はなく東京都心の小規模館で観た。

前作で触れなかったコールのセクシュアルマイノリティーと、それも受け入れた妻との深い愛情が描かれた。
ピアノに向かって「トゥルーラブ」"True Love"を作曲するシーン、この曲は映画「上流社会(1956)でビング・クロスビーグレース・ケリーのデュエットで有名。
奥さんが「あなたらしくない曲ね」と言う、
このセリフに共感を覚えた、個人的にビクター・ヤング作と言われれば納得する気もしていて、ポーター音楽深堀した作品だった。

 

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