映画と音楽92ー吹き替え楽器

セリフや歌の吹き替えは映像が先だが、楽器演奏は音が先で俳優のアテブリ

40代半ば頃、テレビバラエティー番組出演でバンド演奏の前で司会者がトーク、音量バランスがとれず先に演奏を録音してアテブリとなった。

ジャズは即興性が強く二度目が違ってくるから、録画で手の位置を確認し収録。

自分の演奏でも簡単ではないが、音楽映画「五つの銅貨」「バード」の管楽器、「愛情物語」のピアノなど演奏家が観ても手と演奏がよく合っている。

これがドラムの場合、シンバルや太鼓類を叩くズレは分かり易いと思う。

 

ドラマーの伝記映画「ジーン・クルーパ物語」"The Gene Krupa Story"(1959)は主演俳優が実際に演奏しているとしか思えない。

バンドがアップテンポで「チェロキー」を演奏しドラムソロに至るシーンは音とスティックのズレが全くなく、本人が叩いているとしか思えない。
主演のサル・ミネオはこの映画でしか知らないが、親友役のジェームス・ダーレンは子供時分の米テレビシリーズで知っていた。 

 

最近観たピアニストの映画「グリーンブック」(2018)も主演俳優が演奏しているとしか思えなかったが、後で主演俳優と似た体系のプロピアニストが演奏し首をCG合成だと知った。

アテブリならぬすげ替えの最新技術に驚いたが、余計に往年映画俳優の努力に敬意を感じる。