映画と音楽91-吹き替え奇譚

先日書いた60年代の「北京の55日」は、西太后や宮廷官僚が全員英語を話すことに違和感を覚えた。

これとは逆に、北京に行った折ホテルのテレビ洋画、吹き替えでブロンド美女もハンサムガイも流暢な中国語を話すのが不思議な感覚で、日本に来る外国人観光客も同じかと想像。
羽田から搭乗した海外便は日本の航空会社でなく、機内で観たナタリー・ポートマン主演映画「ブラックスワン」、何故か日本語がなく韓国語吹き替えの英語字幕、ややこしかった。

 

ややこしいと言えば昭和時代、今では考えられないことがあった。

 60年代のエレキブームを牽引したザ・ベンチャーズの記録映画、日本制作「愛すべき音の侵略者達」"Beloved Invaders"。

66年来日ツアードキュメントで、地方上映はなくビデオ時代になって観た。

演奏シーン以外でメンバー4人の声は牟田貞三さん、田中信夫さんなどが吹き替え。飛行機移動のシーンで「歌でも歌おうか」と歌い出したのが、〽月が~出た出た~の「炭坑節」だった。
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昭和30~40年代のテレビ海外ドラマや洋画では、吹き替え録音がずれることもしばしばあった。

女性と男性の声が入れ替わってCMの間に戻ることもあったが、時には突然テープ早回しで、銃を構えた凶悪犯が甲高い早口でお笑いになることも。

これより前のテレビ創成期は吹き替えも生放送だったそうで、初代「スーパーマン」声優の大平透さん、「正月の放送でお屠蘇ほろ酔いの勢いで、べらんめぇでやったことがありました」、なんとおおらかな時代、江戸っ子スーパーマン聞いてみたかった。