映画と音楽98-地下鉄とシャレード

映画にニューヨークやパリの地下鉄がよく登場する。
映画「シャレード」"Charade"(1963)はパリを舞台に若き未亡人(オードリー・ヘップバーン)が怪しい男たちに追われ地下鉄に逃げ込む。
男たちは戦時中の軍隊仲間でナチの大金を略奪、隠し場所を唯一知る男が急死、その未亡人が事情も知らぬまま狙われる。
未亡人を助ける男(ケリー・グラント)は敵か味方か、隠し財産の行方は、謎が解明されてゆく。
ヘンリー・マンシーニのテーマ曲はラテンリズムでサスペンス風だったが、多くの歌手でヒットしたのはゆったりとしたワルツだった。
私も弾き語りするが、ジョニー・マーサー作詞。

〽私たちは無邪気にシャレードに興じた、まるでヒット演目の恋人同士、でも振り向くとあなたはいない。

 

シャレードとは何ぞや?

『舞台劇は観客との距離があるため大袈裟な動きで表現したが、映画の発明で些細な動作が意味を持つようになる、これをシャレードと言う。
無言の動作で意味を言い当てるジェスチャーゲーム、更に、ふりをする、見せかける、偽装、などの意味がある』
大金探しの謎解きと去りし恋の思い出が見えて来るが、"Charade"という言葉はこれまでこの映画とダイハツが販売した車名で知るのみ。

 

それが「刑事コロンボ」でも登場したのは欧米では一般的に理解されているのか、番組テーマ曲をマンシーニが書いたからか。
「魔術師の幻想」(1976)、マジックショーの前に歌手が「シャレード」を歌う。
魔術師の殺人アリバイ偽装とコロンボの謎解き双方に重なる、と、勝手な解釈で感心している。