映画と音楽124-ヒーロー・くも1

kumo2016年公開「スパイダーマン3」(2016)映画館に観ったが、ジャズが使われていたのは意外だった。
前半、スパイダーマンの正体は男子学生で、デートでジャズクラブに連れて行った彼女「こんなとこ初めて」、ニューヨークの若者もジャズは馴染みがないだろうと思った。
ステージで演奏が始まりイントロのフレーズで「あ、あの曲か」だったが、ヴォーカルが歌い出しそうなところでダンスシーンとなった。

あの曲とは"Fever"で、始めて聴いたのはプレスリーのテレビ世界同時中継によるハワイライブだったと思う。
曲はシンプルなフレーズの繰り返しだがブルージーでかっこいい、恋に熱くなる歌でプレスリーが"fever!"と腰をひと振りドラムがズドン、客がキャー!
後年、プレスリー以前にペギー・リーが歌ったことを知った。

 

映画では彼女役の女優が"I'm Through With Love"を歌う。
1931年の曲、私はナット・キング・コールのピアノ弾き語りで覚えた。
映画「お熱いのがお好き」(1959)ではモンローが歌っているが、恋はもうこりごりの歌詞で失恋に重なるシーンで使われることが多い。

 

この映画から3年程後に、初めてのニューヨーク旅行に行くことになりライブ事情を調べた。
現地に住んでいた演奏家に聞いたりネットでも調べたが、主流はコンテンポラリージャズで私好みのスイングやスタンダードジャズを聴けるところは稀、わずかな滞在で出合うことはなかったが街の雰囲気は大いに楽しんだ。
あの摩天楼風景からスパイダーマンも生まれたわけか。

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