映画と音楽123-譜面とアラ

1980年代に入って家庭用ビデオが普及、それまでテレビ放映かリバイバル上映でしか見られなかった名作映画が何回でも見られるようになると、知られざるアラ発見も話題になった。

アラン・ラッド主演「シェーン」の前半、荒野の向こうに走る路線バスが映り込んでいる、「ローマの休日」のスペイン階段で数分のシーンがカットが変わると時計台の時間が大きく進んでいる。

雑誌記事やライブのお客様からお聞きしたり、私も発見することはあった。

 

映画「グレンミラー物語」主演のジェームス・スチュアートが「ムーンライトセレナーデ」作曲するシーンで凄い勢いで譜面を書く。
20歳前に映画館で観た時は猛練習したのかと思ったが、ビデオ時代になってよく見ると五線紙に薄く下書きが見えた。

「愛情物語」を始めて名画座リバイバル上映で観た時、あまりにタイロン・パワーの手と吹き替えのピアノ(カーメン・キャバレロ)がピッタリで感動したが、ビデオで何回か見ると何か所かずれていて、ピアノの鍵盤と顔が同一画面に映るありえない位置関係にも気付いた。

フレッド・アステアの映画でタイトルも相手女優も思い出せないが、ダンスシーンで女性のスカートが後半キュロットになっていた。

 

昔のことかと思ったら2000年以降作品のアラを集めたサイトもあり、機械は発達しても人の手作り感は変わらず。
編集で後年消されることもあるようだが、知ったとて感動は変わらず、魚のアラにも似たお楽しみに感じる。