映画と音楽138-アクトナチュラリー

昨日書いた「さらば我が愛/覇王別姫」(1993)の描いた時代は、中国王朝が崩壊した20世紀初頭から始まり、中華民国日中戦争、新中国の文化大革命の大混乱とその後まで。

1980年代以降に中国近代史を描く作品が多く発表され、「活きる」(1994)も時代の激流を生きる夫婦の物語、張芸謀チャン・イーモウ)監督。

同じ監督の「あの子を探して」(1999)は出演者の多くが素人で話題になった。
寒村の小学校で代用教員となった13歳の女の子、生徒の一人が病気の親の為に街へ出稼ぎに出る。生徒数が給金に影響するので女の子は連れ戻しに街へと出かけるが。

少ない映画製作費での企画だが、リアルな味わいに感動があった。

 

監督は高倉健さんへの熱いリスペクトから2005年「単騎、千里を走る」を制作。
疎遠になっていた息子が中国で倒れた知らせに父(高倉健)が現地へ向かうストーリー。
公開前にテレビで高倉健さん「出演した素人さんが泣きじゃくるシーン、あの演技を越えたリアルさが何処からくるのか」、公開されてそのシーンも観た。
私が訪れた中国はこの時代、高度経済成長に入ったばかりで人々の素朴さと発展への希望が映画と重なった。

 

ビートルズがカバーしたカントリー曲「アクトナチュラリー」、〽映画でダメ男の役をもらったけど地のままでOK、ビッグスターになるんだ・・・、本日紹介した映画の素人さんからはビッグスターは生まれなかったと思うが、どの作品も心に深く残っている。