ピアノ

昭和30年代半ば、私は幼稚園の先生からピアノの手ほどきを受け、母が電気オルガンを購入してくれた。

小学校に上がると担任の先生が放課後レッスンをしてくれ、その先生が本物のピアノでの練習を強く勧めたらしい。

庶民の平均月収5万円の時代に18万円のピアノ、決して豊かと言えぬ我家にとってとても高価な買い物だったと思う。

写真は10~11歳頃、自宅かピアノの先生宅

それが昭和40年代になると日本の経済成長もあって全国の家庭に急速普及する。

そうなるとピアノ練習音がうるさいと殺人事件まで起こり(1974年ー昭和49年)、楽器メーカーは弱音装置(フェルトで弦の振動を抑える)設置や電気的なサイレントピアノなど増えた。

 

福井から東京に出て47年暮らしUターン、自然風景は同じだがピアノのある飲食店が増えたことに驚き、地元で演奏活動が叶うなど予想もしなかった。

その多くが個人宅や少子化による廃校などで不要となったピアノとのこと、あの時代愛された楽器のセカンドライフ

 

ストリートピアノの広がりもそんな事情が後押ししたと思うが、最近各所で諸処問題も報じられ撤去する所も。

ピアノは一度置いたら簡単に移動できず、音楽として奏でる人がいないとやっかいなもの。

貴重楽器の時代から60年余りピアノと生きる私、高齢化社会の今と重なる気にすらなる。

 

8月-9月スケジュール