控室にはピアノがあるので、弾き語りを始めると、彼もすぐバンドゥリア(スペインの民族楽器)を弾いて一緒に歌い出した。
ワンコーラス終わるとダヴィさんが弾きだしたのは、なんと懐かしい、トリオロスパンチョスのイントロだった。
私も子供の頃から覚えていたので、一緒に弾いてまた歌った。
メキシコのグループ「トリオロスパンチョス」は日本でも大変な人気があった。メンバーの一人が考案したレキントギターは普通のギターより少し小ぶりで音域も高く、美しいギターの音色から始まるイントロは日本人の感性にもピッタリだった。
「ベサメムーチョ」もメキシコの曲、25年ほど前に演奏に行ったジャズバーで、この曲の作曲者コンスエロ・ベラスケスさんのテレビ取材に偶然遭遇し、ご本人のピアノ演奏を間近で見て聴いた。
そんなこともあって、私、以前からこの「ベサメ」をスペイン語で亜土ちゃんとデュエットしたり、たまに弾き語りもするけど、どうも歌詞が部分的に”怪しい”。
何しろスペイン語の知識は全くないし。
チェックしてもらったら「うん、ダイジョーブです!」と言ってくれたが、”怪しい”部分に僅かに間違いあり。2~3回繰り返してくれたが、演奏の合間で時間もなくなって「ありがとう」と言って控室を出た。